日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年7月14日意見が出る会議にするための3つのポイント


★会議で意見が出ない


私は年に数回、会議を効率的かつ効果的なものにするファシリテーションセミナーの講師を務めています。以前は集合形式で開催していましたが、新型コロナ感染拡大以降はオンラインでの開催となっています。
そのセミナーの冒頭で、参加者に「会社の会議で問題に思っていることをグループで話し合ってください」とお願いしています。すると、
・会議が長引いて予定時間を過ぎても終わらない
・担当者の報告を聞くだけの会になっている
・話があちこちに飛んで、結局何も決まらずに終わる
などの意見が出てきます。しかし、その中でも一番多いのが
・会議のほとんどの出席者が発言しない
というものです。これは毎回のセミナーで必ずと言っていいほど聞かれます。会議をしている間、出席者は本来の業務ができません。そうした貴重な時間を割いて開催している会議で発言がないのはとても勿体ないことです。
そこで、今回は会議で発言を引き出すためのポイントを3つお話します。

 

 



★会議の論点を具体的に設定する


1つ目は、会議で議論する論点を具体的に設定することです。
会議で意見が出ない原因の一つに、出席者が何についてどういう意見を言えばいいのかわからない、ということがあります。これは議論すべき論点を主催者が具体的に設定していないからです。
例えば、「我が社の広告宣伝はどう変えていくべきか意見をください」と言われても、出席者は発言しにくいでしょう。議論すべきことが余りにも漠然としていて、話すことがイメージできないからです。しかし、「我が社のウェブサイトのアクセス数が最近減ってきています。皆さんは我が社のウェブサイトはよく見ていると思いますので、何が問題だと思うか、意見をください」と言えばどうでしょう。論点が具体的で意見が出やすいのではないでしょうか。
このように、会議の論点を具体的に設定することは、会議を活性化するための大前提です。

 

★事前に論点を知らせる


2つ目は、会議の論点を事前に出席者に知らせておくことです。
論点が具体的に設定できたとしても、出席者は常にその論点に関することを考えているわけではありません。会議で突然論点が示されても、その場で意見が思いつかないことは容易に想像できます。なので、出席者には事前に「こういうテーマについて意見が聞きたいから考えておいて」と伝えておくようにしましょう。そうすれば考えたり、調べたりする余裕ができるので、意見も出やすくなるでしょう。

 

★質問で進める


3つ目は、議長(司会者)は質問をしながら進めることです。
例えば、出席者から「我が社のウェブサイトは今の若者にはお堅いイメージがあります。もっとフレンドリーな雰囲気に変えた方が良いと思います」という意見が出たとします。それに対して議長役の人が「いやいや、我が社は信頼感を大事にしているから今のイメージでよいと思うよ」などと意見を言ってしまうと、最初に意見を言った人は自分の意見が否定されたと捉えて、その後、意見を言わなくなるでしょう。
私はファシリテーションセミナーで「議長役の人は意見を言わないようにしてください」とお願いしています。それは議長役の人の役目は、出席者から意見を引き出すことだからです。出席者から意見を引き出すために有効な方法が『質問』です。先ほどの例であれば、議長役の人は意見を言う代わりに
「なるほど。若者にはお堅いイメージがあるという意見ですね。具体的にどのページが堅いイメージを与えていると思いますか?」
「なるほど。例えばどのページをどう変えればフレンドリーな雰囲気になると思いますか?」
などと質問すると意見が深掘りできるし、他の出席者もより具体的なイメージが掴めるでしょう。
また、「今のページはお堅いイメージがあるとの意見ですが、他の人もそう思いますか?」と、『今のページは堅いイメージがあるか』ということに論点を変えて議論を進めてもいいでしょう。
何れにしても、議長役の人は出席者に質問をしていくことで会議を活性化することができます。


★会議の効率的・効果的な進め方を学びましょう!


今回は会議で発言を引き出すことについてお話しました。ファシリテーションセミナーでは、会議を効率的かつ効果的なものにするための様々なポイントをお伝えし、それを体験いただくために模擬会議の演習を3回実施しています。幸い、毎回好評をいただいています。会社の会議を改善したいと思われている方はぜひご参加ください!
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